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たかまがはら 感想へん

先日は、歌会たかまがはら にたくさんのご投稿ありがとうございました。おかげで楽しい時間になりましたことを改めてお礼申し上げます。また司会進行を勤められた天鈿女聖さんにも併せてお礼を。ありがとうございました。

さて。今日は番組で読ませて頂いた歌を中心に、いくつか気になった歌をご紹介したいと思います。お題は「年」。勝手気ままな感想ではありますがお楽しみいただければ幸いです。
(文章が固いよー肩こったよーこのまま最後までもつのか私……。否、無理!よーし、ここからは気楽に行きます(キリッ )

■当日ご紹介した歌(放送時とコメントが重複しますがご容赦ください)
年収の話題をうまく避けながら笑い続けている同窓会(田中ましろ)
えらく気まずい一首。ぞわぞわします。年収や結婚などデリケートな問題に切り込んでくる猛者いますよね。その場から立ち去るわけにも行かず、笑い続ける主体。最後に「同窓会」とあるのがポイント!同じ教室にいたのに……と、痛々しい笑顔が目に浮かぶようです。

年齢のエレベーターに乗っかって各階にいる君に会いたい(飯田和馬)
多くの短歌女子のハートを鷲掴みにしたロマンチックな一首。年齢のエレベーターという発想が新鮮でした(エスカレータなら分かるけど)。下の句「各階にいる君に会いたい」にしびれます。この先、年を重ねていく君を見ていたいという願い。エレベーターというモチーフから、私は〈若い頃の君も知りたい〉ととったのですが深読みかな?どうかな?

来年のことをいっぱい話すからどうぞ鬼さんよい年末を(じゃこ)
明るさとユーモアに魅かれました。来年はあれをしようよ!あそこに行きたい!未来についての会話からは幸せなにおいが漂ってきます。《来年のことを話すと鬼が笑う》という諺を逆手にとって、鬼にまでその優しさを向けた、温かみ溢れる一首です。

おはようとおめでとうとが交差して年の初めはくすぐったいぞ(麦太朗)
結句「くすぐったいぞ」にやられました。私が感じていたのはこれだったのか!と。それまで普通にテレビを見ていたのに、急に改まって敬語で挨拶したりして。照れくさいなあ。

年賀状をおくるだけの繋がりで切れない縁 初恋の人(琴乃彩葉)
上の句の6・6音は少しもったいない><。でも年賀状を送るだけとは言え、初恋の人と繋がっていられるのは幸せなことだなと、きゅんとしました。

ブロッコリー並べるオレに歯の抜けた話始める少年がいる(工藤吉生(くどうよしお))
仕事中子どもに話しかけられた出来事が、妙にいきいきと切り取られています。「少年がいる」と現在形で処理したからでしょうか。また「歯の抜けた話始める」の頭韻と、隙間なく並ぶブロッコリー(緑)と少年の抜けた歯(白)のコントラストを面白く読みました。

銃声の代わりに響くクラッカーそして二十歳のわたしは死んだ(田村わごむ)
まず下の句に驚きます。〈誕生日、昨日まで居た二十歳のわたしは死んだ(そして新しい21歳の私が生まれる)〉ととりました。「銃声の代わりに」というのも物騒。まるで銃声が正解のような口ぶりです。誕生日にそぐわない不穏さが魅力的です。

一年中閉店セールの看板を吊り下げているみたいな私(龍翔)
年中閉店セールをやってる店ありますあります。この歌の場末感は何なんだろう……。目を留めてほしいという気持ちは感じます。でも自分を安売りしちゃ行けませんぜ。一首全体で結句を修飾する形の歌としてなかなか決まっていると思います。

後悔を抱えて今年を生きていく年賀の返事を出さないことの(たきおと)
いや、出せよ。と思わずつっこんでしまいました。返事を敢えて出さないと決めたのに、それを一年後悔し続ける。見事なネガティブ具合です。もはや職人です。結句を「の」にすることで初句につながり、それこそぐるぐると悩み続ける感じが痛々しく、面白い一首です。

こたつから顔を出したり隠れたりしているうちに新年になる(田中ましろ)
なんて幸せな年越し。(´・ω・`)oO◯(おこた買おかな…)


■なかなかに気になる歌(抜粋でごめんなさい)
生年と没年結ぶハイフンは短い誰のものも等しく(岡野大嗣)
ハッとする歌。ハッとした後ぐっと来ます。肯定的に「どんな生き方をしてもハイフンは平等にある≒救い」ととるか「ハイフンしかない」ととるか、うーん。人生って結局不公平だなあとか、か、家族がほしいよ…とか、小一時間語りたくなる一首でした。

アンチエイジングはやめろぼくはその目じりのしわが愛おしいのだ(木下龍也)
乱暴な愛情表現です。でも綺麗で居たいと思うのもまた愛情、許してあげてよ。

丗は世の異体字であればこそ君の三十年がいとしい(牛隆佑)
(丗:さんじゅうと読むらしいよ。勉強になるなー。)どうせ何十年だって愛しいんだろうよ!けっ!とやさぐれた一首です。うらやましい。マフラーの一首も素敵でした。

少年のあなたとあなたのママに会う 木蔭でモヒート飲む昼下り(高橋徹平)
初夏の光がゆれる木陰。夢の中で幼い「あなた」に会う。爽やかで不思議な読後感です。

そうねって頷く瞳には幾千の光年を越え届いたひかり(さとうはな)
何への「そうね」かは不明ながら魅かれる一首。光の宿る瞳には穏やかな決意を感じます。

晩年のような顔して歩むとき猫いっぴきに振り返られる(むしたけ)
猫ってそういうところ、あるよね。敏感に感じ取るんだ。受動態の下の句が妙に魅力的。

パイ投げ競技規則改訂 今年からお好み焼きも使用可とする(ユキノ進)
いや、やけどするよ!「年」というお題から一番遠くにあった歌で賞を捧げます。

またすぐに会えるさという別れから十三年が過ぎていること(たた)
13年というのはリアルを感じる数字です。「またすぐに会えるさ」と言ったとき心のどこかでは最後であると予感していたのではないでしょうか。非常にぐっと来ました。

二年目で理解したこと喧嘩後はまず背中から抱き寄せること(たえなかすず)
たまらん。なるほどなー。やってみよう。……い、いつか。

あたし達いつかあなたの年齢を越えてしまうね 生きていくから(都季)
結句にドキッとします。この結句は4句までの種明かしであると同時に、主体の決意がこもっていて胸に来ました。

年頃と云われるようになっていたあの冬もひとり今年も独り(台所のキフジン)
下の句のリズムが8.7の割に良い。「ひとり」と「独り」の使い分けは、年を重ねてより孤独と感じるようになったからでしょうか。

いつからか与える側になっていてファミリーマートで買うポチ袋(山本左足)
ファミリーマートという選択が憎いです。にくたらしい。…肉食べたい(おなかすいた)。上の句の「与える側」とややぼかした表現にもテクニックを感じました(勝手に)。

以上です。お寒い中、お付き合いありがとうございました(ぺこり (順不同敬称略)

コメント

Secret

ありがとうございます

ちいさんコメントありがとうございます。

実は先日、短期留学したときの友人と再会したのです。マレーシア人の彼がしきりに"thirteen years"とつぶやいていたのが心に残りました。
facebookなどでお互い近況を知っていたので、あのとき以来の再会という気がしませんでした。当時交換した思い出の品を持ち寄ったり。仲間って本当によいなあと思ったのでした。

Tata

たたさんへ

たたさんこんにちは。

そうですか、再会されたのですね。よかった!
私も同じような経験があり、私の場合はとてもとても大切な友人なのに「もう会えないだろうな」という予感がありました。その別れを思い出して胸が苦しかったです。(飛行機でビューンと行っちゃえば案外簡単に会えるかもしれませんが^^;)国が違うとねえ……。でも行ってみようかな。

マイたた短歌ランキングが更新された一首です。ありがとうございました!
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