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「未来から来ました、小林です」そう言った瞬間、室内に小さな笑いが起こった。ただでさえ緊張していたのに全身から嫌な汗が出る。(何か変だった?)頭が真っ白になる。
二月某日、横浜はみなとみらいでその会は開かれた。所謂結社系・ネット系などの枠を超えて歌会をしましょうというツイッターでの呼びかけに、日本各地から集まった参加者は21人。結社や同人誌の集まりでも、仲間内だけの集まりでもないために会は自己紹介から始まった。そして話は冒頭に戻る。前の人に習って所属結社名を言った私の言葉は、まるでタイムスリップしてきた未来人であるかのようにへんてこに響いたのだ。一拍置いてやっと状況が理解できると、私は急速に熱くなる顔をそっと押さえた。
その夜、ツイッター上では多くの歌人や俳人が《○○から来ました、と名乗るには怪しい結社名》をこぞって考え、呟いた。中には苦笑いしてしまうものもあったが、流石は言葉に敏感な面々。どれもこれも面白い!「子宮」や「墓場」、「その筋」に「FBI」まで。「FBIから来ました」とは確かに怪しい。実際にある結社名では「星座」や「地中海」も面白いだとか、「塔から来た、じゃつまらない」と塔の方が呟いていたり…。中でも思わず唸ったのは「かばんに入っています」という言葉。千葉聡さんがかつて使ったというこのネタ、何とも洒落ていて可愛らしい。(ツイッター上での発言者は山田航さん)
私の何気ない一言から 言葉を愛する人たちの茶目っ気ある横顔が垣間見えた、不思議で、印象深い出来事だった。
《未来2012年05月号/その日その日》一部修正
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上は、二月にみなとみらいで開かれた歌会の後日談 です。ごらんの通り、肝心の歌会の内容については全く触れず、極力お名前も省かせていただきました、すみません。歌をあげて紹介するには字数が全く足りず、そして参加者である沼尻さんが既にレポートを書かれたと知っていたこともあって、別のところに焦点を合わせました。
正直言うと、いまだに未来所属とは言い辛い気がします。反応が怖くてびびってしまう。だからそのものズバリの文章を書くのにもかなり抵抗があったのですが、まあ…あの…書いちゃった。なお入稿前には響乃さんに原稿を見ていただきました。お忙しい中ありがとうございました。いつもお世話になっています(あ、先日はごちそうさまでした)。
みなとみらい歌会、とても刺激的でした。時間の半分はみんなで連作を読み解いたのですが、絵がすっと立体になっていくような感覚があって!自分の読みの浅さを痛感しながらも興奮したなあ。それからもう半分は一首ずつ持ち寄っての歌会。集まった歌に好きなものが多くて、優柔不断な私には投票だけで一苦労でした。ましてやコメントなんて…!私の歌にもあたたかい票やきびしい評が付き、聞きながらも動悸がひどかったです。
私は歌会のみの参加で、膝の震えもおさまらないうちに会が終わってしまったのですが、二次会もすごく盛り上がったようでちょっと後悔しています。