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ぷち短「片思い」111106

三橋が電話をかけてきた。三橋の電話はいつも突然だ。
「明日なにしてんの? 暇ならゴヤでも見ようぜ、ゴヤ」
「一体どういう風の吹き回し?あんた絵なんて全然興味ないでしょうに。まず美術館て何着ていけばいいの、あたし小粋なドレスとか持ってないけど。ていうか、」もしかしてデートのおさそい?ベラベラとまくしたてるけど、最後だけは冗談でも言葉にできない。
「聞いてほしい話があんだよ」
とりあえず、脳内に流れる浮かれたワルツを止める。そんなことだろうと思った。というか、そんなことだろうと気付くべきだったと思った。
「なに。また彼女でもできた、ま・た。」
「さっすが!分かっちゃった?」私の嫌味など気付きもせずに三橋が笑う。くっそこのやろう、深読みとかデリカシーとか全く無いな。憎たらしい。
「それがさ、良い子なんだわこれが。はかなげで可憐で上品で、お前とは…」
「あーうっせうっせ」
「そーいうとこだぞ父さんが心配してるのは」
「はいはい(笑)」
「とにかく、明日1時に上野集合な。じゃ」話すだけ話して三橋はさっさと電話を切った。
おい、私の都合も聞けよ。苦笑いしながら立ち上がる。思いきり伸びをしたら、おなかのあたりがチクチクした。まあいいや。どうせ明日はもっとチクチクするんだし。クローゼットの扉を開ける。見事に地味な服ばっかり。上野か、さて何を着ていこう。


恋人の話したがる君を待つ国立西洋美術館前
2011/11/06「片思い」放送外 加藤治郎さん選

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